概要

TeX/LaTeXは数式や図を多く含む論文・書籍・レポートなどを作成するための組版ソフトウェアである。TeXのインストールはファイルをダウンロードして解凍するだけのいたってシンプルな作業のはずなのに、なぜだかTeXのインストールをやけにハードルの高い作業と錯覚している例を多く見る。このページではWindowsでTeXを使った文書作成が実用レベルで行えるまでに必要な最も正式と思われる手順を説明する。別のPCでTeX/LaTeXを初めて使う時に参考にしよう。

使うTeX/LaTeXディストリビューション

日本語ならW32TeXが一択でしょう。これはTeX Liveというディストリビューションの派生で日本語に対応している。なのでいきなり使える。LaTeXの日本語の設定まわりは本当に訳わからんので手っ取り早くインストールして動かしたい場合には避けたいところ。

TeX関連ファイルのダウンロード

http://w32tex.org/index-ja.html から必要なファイルをダウンロードする。ページ上部にあるミラーサーバーのリンクから.tar.xz形式のファイルを片っ端からダウンロードして適当なディレクトリにまとめておく。以下ではC:\Users\Username\TeX\Archives\にダウンロードしたファイルをまとめて置いたと仮定する。

なお、ページの中ほどに最小インストール・標準インストール・フルインストールで必要なアーカイブ名称がまとめられてる。何をダウンロードしたかの管理が面倒なので全てダウンロードしてしまうことをお勧めする。

ダウンロードしたTeX関連ファイルの展開

GnuWin32やMinGWをインストールしていて.tar.xzを展開する手段がすでにある場合は全てのアーカイブの中身をC:\Users\Username\TeXに展開する。そうでない場合は次の手順に従う。

先ほどのミラーサーバーのリンクからtexinstwin.zipをダウンロードしてきてC:\Users\Username\TeXに解答する。コマンドプロンプトを起動して以下を入力する。念のためコマンドプロンプトはエクスプローラの左上のファイルメニューから開ける。はずだったんだがWindowsはPowerShellを主流にするつもりらしくいつぞやのアップデートからその項目はPowerShellに変わった。でもやることは同じかな。

cd C:\Users\Username\TeX
texinstwin\texinstwin "C:\Users\Username\TeX\Archives"

これで展開作業は終了である。TeXの中にbinとshareができているはずである。終了した後はArchivesディレクトリとtexinstwinは削除してよい。

TeXworksで動作確認

今回はTeXStudioを使って文書作成ができることを目標としているがこれまでの手順でもう既にTeXによる文書作成ができるようになっている。そこで試しに適当なpdfファイルを作成してみる。

C:\Users\Username\TeX\share\texworks\texworks.exeを起動して編集>設定>タイプセットと進みTeX関連プログラムのパスにC:\Users\Username\TeX\binを追加する。次にテキストエディタの部分に次のコードをコピペして適当なディレクトリに例えばtest.texとして保存する。

\documentclass{jsarticle}
\begin{document}
\section{2次方程式の解の公式}
\[ x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a} \]
\end{document}

Ctrl+Tまたはタイプセットを押すとtest.texと同じ場所にtest.pdfが作成されプレビューが表示される。これでうまく解の公式が表示されればひとまずTeXのインストールに成功だ。

TeXStudioのインストールと設定

TeXworksでも文書作成はできるがTeXStudioというもっと便利な編集ソフトがあるのでこれを利用しない手はない。

http://www.texstudio.org/ からインストーラをダウンロードして起動し、よくあるポチポチ画面を進めるとあっさりインストールが終わる。インストールしたTeXStudioを起動してオプション>TeXStudioの設定>コマンドと進んでC:\Users\Username\TeX\bin以下にある.exeを次々と指定していく。例えばLaTeXならplatex.exeといった具合にpがついたものを指定するとうまくゆく。見当たらないものはとりあえずデフォルトで問題ない。

TeXworksと同様にテストコードを入力してツール>ビルド&表示でうまくpdfが表示されれば成功である。

終わりに

TeX関連プログラムの置き場がC:\Users\Username\TeXである必要はないが個人的にはお勧めである。理由はパス名がそこまで長くなり過ぎず書き込んだりするために面倒なユーザアカウント制御の黒画面を見る必要が無いから。当然ながらUsernameは各自のユーザ名に置き換えること。筆者のユーザ名はアルファベット4文字のため非常にわかりやすい。

w32tex.orgではパス名に空白があるとマズイと言っているが特に問題は起こっていない。texinstwin.exeのソースコードがファイル名をゴリゴリ参照しているので場合によっては問題が起こるのかもしれないが展開時だけ空白無しパス名を与えるなどして対応できる。あとコマンドライン引数のパスをダブルクォートで囲っていないのは論外。

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