TeX/LaTeXで数式部分を太字などにするコマンドとその出力例をまとめた。

コマンド 出力例
何も無し normal.svg
\mathbf mathbf.svg
\bm bm.svg
\mathrm mathrm.svg
\mathsf mathsf.svg
\mathit mathit.svg
\mathbb mathbb.svg
\mathcal mathcal.svg
\mathscr mathscr.svg
\mathfrak mathfrak.svg

【モバイル向け】↑が見にくければこの下に画面いっぱいに広げたものが貼ってある。

はじめに

数式モードの中でフォントを太字などにスイッチングするコマンドがいくつかある。これらはテキスト環境における{\rm a text}のようにスイッチングするのではなく\mathbf{A}のように、コマンド後の中括弧を用いるので注意。数式モード下では下付きなどの他の数式コマンドと同じく中括弧を使わない場合は直後の1文字にのみそのコマンドが適用される。数字以外はスペースが必要なため見やすさの面からも中括弧をつけるのが良い。

  • 【OK】\mathbf A\mathcal{F}\bm0(数字のみ)
  • 【NG】\mathcalF

コマンド無し

数式環境ではイタリック体がデフォルトとなる。ただし数字はローマン体のまま。加えて適切なスペーシングがなされる(いい感じの間隔があくということ)。

normal.svg

太字:mathbf

boldfamilyもしくはboldfont。次のように太字になる。数字にも影響する。デフォルトだったイタリック体は解除される。

mathbf.svg

\mathbfが効かないシンボルがいくつかある。その場合は後述の\bm\mathbbmに加えて\boldsymbol\pmbを使ってみる。

太字:bm

boldmacro(適当)。\usepackage{bm}が必要。\bmというマクロを使うと\boldsymbolをいい感じに使ってくれて短く書ける。イタリック体が維持されたまま太字になる。

bm.svg

ローマン体:mathrm

roman。ローマン体となる。よく使う。数字はもともとローマン体。

mathrm.svg

セリフ:mathsf

serif-familyかsans-serif。セリフ体となる。ウェブページとかで用いられる書体。

mathsf.svg

イタリック体(斜体):mathit

italic。イタリック体となる。アルファベットだとデフォルトでイタリック体。数字を斜体にしたい場合に使う。

mathit.svg

黒板太字:mathbb

black board。\usepackage{amsfonts}が必要。ただし間接的に読み込まれている場合もあるのでそのままでもうまくいく場合もある。

mathbb.svg

カリグラフィフォント:mathcal

calligraphy。大文字のみ。小文字には効かない。数字は一応何か変わる。気持ちでは専ら「マスカル」と呼ぶ。

mathcal.svg

スクリプトフォント:mathscr

script。\usepackage{mathrsfs}\usepackage{euscript}が必要。どちらにするかで見た目も変わる(らしい)。一般的なものは\usepackage{mathrsfs}

mathscr.svg

フラクトゥール:mathfrak

\usepackage{amsfonts}が必要、同じく間接的に読み込まれている場合はok。

mathfrak.svg