簡単なメモ。 問い n×n行列対称Aを次のブロック行列で表現する。 A=[A(n)A⋅,nA⋅,n⊤Ann] ここに、A(n)は行列Aの左上(n−1)×(n−1)部分、A⋅,nは行列Aの(n−1)×1の右上側、Aijは行列Aの第(i,j)成分。このとき、 [(A−zI)−1]nn=1Ann−z−A⋅,n⊤(A(n)−zI(n))−1A⋅,n Iはn×nの単位行列を表す。これを示せ。 回答 まず(A−zI)−1を次のブロック行列で表す。 (A−zI)−1=[BCC⊤E] E=[(A−zI)−1]nnとなる。逆行列の定義からこのブロック行列は次を満たす。 (A−zI)[BCC⊤E]=[A(n)A⋅,nA⋅,n⊤Ann][BCC⊤E]−z[BCC⊤E]=I 各ブロック要素について分解すると、 A(n)B+A⋅,nC⊤−zB=I(n)A⋅,n⊤C+AnnE−zE=1A(n)C+A⋅,nE−zC=0A⋅,n⊤B+AnnC⊤−zC⊤=0 これをEについて解く。第3式より、 A⋅,nE=−(A(n)−zI(n))C これは(n−1)×1ベクトル=(n−1)×1ベクトルの式。 C=−(A(n)−zI(n))−1A⋅,nE これを第2式に代入すると、 −A⋅,n⊤(A(n)−zI(n))−1A⋅,nE+AnnE−zE=1(−A⋅,n⊤(A(n)−zI(n))−1A⋅,n+Ann−z)E=1 従って E=1Ann−z−A⋅,n⊤(A(n)−zI(n))−1A⋅,n おわりに (n,n)要素について計算したが一般に第(i,i)要素について同様の計算が可能。