の正定値対象行列、、について関数
を反復法によって最小化するとき、互いに共役な方向について探索を行えば高々回の反復で最小値に収束する。このときのが線形方程式の解であることは前のページで説明した。
共役の定義を説明する前に簡単な式変形によって共役の定義の理由を説明する。
まず行列が正定値対象行列であることから行列はあるを用いてと分解できる。行列の性質として当たり前だと感じるかもしれないが念のため少しわかりやすく説明しておく。対称行列はであるような直行行列を用いてと対角化できることは知っているだろう。このときはの固有値が並ぶ次のような対角行列である。
別な言い方をすると行列をと固有値分解できるともいえる。ここまでは行列が対称行列であることしか使っていないので正定値でなければ変形はここまで。いま行列は正定値だから正定値性の定義のひとつよりの全ての固有値は正なので、固有値を並べた対角行列はのように分解できる。ここでとは次のような行列である。
全ての固有値が正なのでの成分が虚数となることはない。これを使うとは次のように書ける。
最後にとおいた。これで正定値対象行列がと分解できることが分かった。
次に、前のページのように関数をを満たすような(線形方程式の解)で平行移動して変形する。
ここで最小化に無関係な部分は定数としてとおいた。前述の通りこの関数が最小となるのは原点である。ここに行列の分解を代入すると
となる。ここでと線形変換すると
これは成分で書くことができて次のようになる。
いろいろと変形しての原型がなくなってしまったので一度整理すると、まず関数の最小値を与えるを原点にするように平行移動し、行列をと分解するによってという線形変換を施すと上のような形になるといえる。
ここで、変換後の最急降下法を使うと高々回の反復で解に収束する。これを