分散共分散行列は対角要素の分散要素と、非対角要素の共分散要素からなる。このうち分散要素が全て1、共分散要素がすべて一定である次の形式の行列の固有値を計算する。
行列のサイズはとする。は単位行列では要素がすべて1のベクトルとする。従っては要素がすべて1の行列を表す。
固有値
固有値を求める基本的な操作として次の方程式を考える。
書き下すと、
この行列式を計算すればよい。この行列は各列の和が全て等しいから、第1行目に第2行めから第行目までを全て足すことにより、
残りの行列式の中身で、第1列目のをゼロにすることを考える。これには第1行目を倍して第2列目から第行目まで足せばよい。
この段階で右下要素の非対角成分は全てゼロになった。後は要素の余因子展開を考えることにより、
ということでの固有値はとであることがわかった。固有値は重根である。
なお、においてはが成立している。大きな最大固有値が1個と小さい固有値がたくさんある構造であるといえる。
固有ベクトル
標準的な手続きとして
を解くことによって固有ベクトルは求められる。のとき、
を満たすものが固有ベクトル。天下り的にを試すと、これはこの式を満たしている。従って要素がすべて1のベクトルとその定数倍がに対応する固有ベクトルということになる。
のとき、
これはという方程式に等しく、の固有ベクトルと直交しているものすべてがの固有値となる。実際、そのようなベクトルにおいてが成立する。(固有ベクトルの定義!)
固有ベクトルを全て上げろと言われた場合の書き方はいくつもある。一例として
というように1つの要素がで1つの要素がのベクトルは全てに対応する固有ベクトル。あとはこれらを独立になるように配置してやればよい。
もちろん配置の仕方は1通りではないし線形代数的には無限の表し方がある。