とある数学の問題と解答のメモ035

2019-05-23 12:29

問題

あるコインを投げると、確率\(p\)で表、確率\(q=1-p\)で裏が出る。\((0<p<1)\)このコインを投げる独立な試行を、表が出るまで繰り返す。初めて表が出るまでに投げた回数を確率変数\(T\)で表す。ただし表が出た試行も回数に含める。

(1) \(T=n (n=1,2,\dots)\)となる確率\(P(T=n)\)を求めよ。

(2) 確率変数\(T\)の期待値と分散を求めよ。

窓が1つのあるスロットマシンを引くと、\(m\)種類\((m=1,2,\dots)\)の異なる図柄が等しい確率で出る。このスロットマシンを連続で引き、\(n\)回目\((n=1,2,\dots)\)に引いた際に出た図柄の番号を確率変数\(X_n\in\{1,2,\dots,m\}\)で表す。この試行は独立である。この時、\(m\)種類の図柄のうち異なる図柄が初めて\(i\)種類\((i=1,2,\dots,m)\)になるまでスロットマシンを引いた回数を\(T_{m,i}\)と表すと、

\[ T_{m,i}=\left\{\begin{matrix}1&(i=1)\\ \min\{n>T_{m,i-1}|X_n\neq X_j; j=1,2,\dots,n-1\}&(i=2,3,\dots,m)\end{matrix}\right.\]

と再帰的に定義できる。このとき、

(3) 確率変数\(U_{m,i}, (i=2,\dots,m)\)について、

\[ U_{m,i}\equiv T_{m,i}-T_{m,i-1}\]

とする。\(U_{m,i}=k, (k=1,2,\dots,)\)となる確率\(P(U_{m,i}=k)\)を求めよ。

(4) 全ての図柄が出るまでにスロットマシンを引いた回数\(T_{m,m}\)に対し、その期待値が以下の式で与えられることを示せ。

\[ 1+m\sum_{j=1}^{m-1}\frac1j\]

解答

(1) 書くだけ。

\[ P(T=n)=q^{n-1}p=(1-p)^{n-1}p\]

(2) これも機械的に計算するだけ。途中よくある数列をずらすやつを使う。

\[ E(T)=\sum_{n=1}^\infty nP(T=n)=\sum_{n=1}^n nq^{n-1}p\\ =\frac{p}q\sum_{n=1}^\infty nq^n=\frac{p}q\cdot\frac{1}{1-q}\sum_{i=1}^\infty q^n\\ =\frac{p}q\cdot\frac{1}{1-q}\cdot\frac{q}{1-q}=\frac1p\]

次に分散は\(V(T)=E(T^2)-E(T)^2\)を使う。

\[ E(T^2)=\sum_{n=1}^\infty n^2P(T=n)=\sum_{n=1}^\infty n^2q^{n-1}p\\ =\frac{p}q\sum_{n=1}^\infty n^2q^n=\frac{p}q\cdot\frac1{1-q}\sum_{n=1}^\infty(2n-1)q^n\\ =\frac{p}q\cdot\frac1{(1-q)^2}\sum_{n=1}^\infty 2q^n\\ =\frac{p}q\cdot\frac2{(1-q)^2}\cdot\frac{q}{1-q}=\frac{2}{p^2}\\ \therefore\ V(T)=E(T^2)-E(T)^2=\frac2{p^2}-\frac1{p^2}=\frac1{p^2}\]

(3) 定義がいろいろ面倒だがよくよく考えると次に新しい種類が出るまでに試行を繰り返す回数が\(k\)になる確率で、これは(1)の問いと同じ考え方で出せる。

\[ P(U_{m,i}=k)=\left(\frac{i}m\right)^{k-1}\frac{m-i}m\]

(4) 前問からとりあえず\(U_{m,i}\)の総和を取ってみる。\(i=2,3,\dots,m\)について\(U_{m,i}\)が決められているので

\[ \sum_{i=2}^mU_{m,i}=\sum_{i=2}^m(T_{m,i}-T_{m,i-1})\\ =\sum_{i=2}^m(-T_{m,i-1}-T_{m,i})\\ =(-T_{m,1}+T_{m,2})+(-T_{m,2}+T_{m,3})+\dots+\\ (-T_{m,m-2}+T_{m,m-1})+(-T_{m,m-1}+T_{m,m})\\ =-T_{m,1}+T_{m,m}\\ =-1+T_{m,m}\]

よくある前後の項で打ち消すやつです。以上より

\[ T_{m,m}=1+\sum_{i=2}^mU_{m,i}\]

これで見通しはついた。後々のために\(U_{m,1}=U_{m,m}=0\)を使っておくと

\[ T_{m,m}=1+\sum_{i=1}^{m-1}U_{m,i}\]

期待値を取って計算していくと、前問の\(p=\frac{m-i}m\)の場合が使えるから

\[ E(T_{m,m})=1+\sum_{i=1}^{m-1}E(U_{m,i})=1+\sum_{i=1}^{m-1}\frac{m}{m-i}\\ =1+m\sum_{i=1}^{m-1}\frac1{m-i}=1+m\sum_{i=1}^{m-1}\frac1i\]

最後が若干ストレートではないけど答えは既に示されているので合わせていくしかない。その過程でどっか間違っているかも。