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問題

(1) \(x \)および\(b \)\(n \)次元ベクトル、\(A \)\(n\times n \)の正定対称行列、\(c \)をスカラとする。このとき

\[ f(x)=x^TAx+b^Tx+c\]

の極値および極値点を求めよ。

(2) \(n\times n\)の実行列\(A,B\)に対し、

\[ \ker A\cap\ker B\subseteq\ker(A+B)\]

が成り立つことを証明せよ。ただし\(\ker X\)は行列\(X\)で表現される線形写像の核(ゼロ空間)を表す。

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問題

(1) 確率変数\(X\)が以下の確率密度関数をもつ確率分布に従うものとする。

\[ f(x)=\left\{\begin{matrix}\sqrt{\frac1{\pi\alpha}}x^{-\frac12}e^{-\frac{x}{\alpha}}&(x>0)\\ 0&(x\leqq 0)\end{matrix}\right.\]

ここで、\(\alpha>0\)はパラメータである。

(1-1) 確率変数\(X\)の期待値を求めよ。

(1-2) 確率変数\(X\)の分散を求めよ。

(1-3) 上記の確率分布を母集団分布としてもつ母集団から\(n\)個の無作為標本\(\mathcal{X}=\{X_1,X_2,\dots,X_n\}\)が得られたとする。パラメータ\(\alpha\)の、\(\mathcal{X}\)に基づく最尤推定量を求めよ。

(1-4) 設問(1-3)で求めた最尤推定量が、パラメータ\(\alpha\)の不偏推定量であるかどうかを理由と共に答えよ。

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問題

確率変数\(X_1,X_2,\dots,X_n,\ Y_1,Y_2,\dots,Y_m\)は独立に正規分布に従い、それぞれ\(X_i\sim N(a\theta,\sigma^2),\ Y_j\sim N(b\theta,\sigma^2)\)とする。(\(i=1,2,\dots,n,\ j=1,2,\dots,m\)) ただし、\(N(\mu,\sigma^2)\)は平均\(\mu\)、分散\(\sigma^2\)の正規分布を表しており\(n,m\)は正の正数、\(a,b>0\)は定数で既知とする。\(\theta,\sigma^2\)は未知パラメータとする。

(1) \(\theta,\sigma^2\)について、\(X_1,X_2,\dots,X_n,Y_1,Y_2,\dots,Y_m\)を全て用いた最尤推定量を求めよ。

(2) 定数\(\alpha,\beta\)を用いて\(\tilde{\theta}=\alpha\overline{X}+\beta\overline{Y}\)と定義する。ただし、\(\overline{X}=(X_1+\dots,X_n)/n,\ \overline{Y}=(Y_1+\dots,Y_m)/n\)である。\(\tilde{\theta}\)の期待値\(E(\tilde{\theta})\)と分散\(V(\tilde{\theta})\)を求めよ。

(3) \(\tilde{\theta}\)\(\theta\)の不偏推定量となるために\(\alpha,\beta\)が満たす条件は何か。また、不偏推定量となる\(\tilde{\theta}\)\(V(\tilde{\theta})\)を最小にするときの\(\alpha,\beta\)の値を求めよ。

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問題

(1) 確率変数\(Z_i=(X_i,Y_i), i=1,2,\dots,n\)は独立に次のように定義される確率分布に従う。各\(X_i,Y_i\)は0または1を値にとり、\(P(X_i=1)=\alpha,\ P(Y_i=1|X_i)=\beta X_i\)とする(一般に\(X_i\)\(Y_i\)は独立ではない)。ただし\(n\)は正の整数、\(0<\alpha<1,\ 0<\beta<1\)は未知パラメータである。このとき以下の設問に答えなさい。

(1-1) 同時確率\(P(X_i=x,Y_i=y)\)\((x,y)\)の取りうるすべての値について求めなさい。ただし\(\alpha,\beta\)を用いること。

(1-2) \(Z_i,\ i=1,2,\dots,n\)をすべて用いて、\(\alpha,\beta\)の最尤推定量\(\hat\alpha_n,\hat\beta_n\)を求めなさい。

(1-3) 制約条件\(\alpha+\beta=1\)を仮定する。このとき\(Z_i,\ i=1,2,\dots,n\)をすべて用いて、\(\alpha\)の最尤推定量\(\hat\alpha_n\)を求めなさい。

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問題

(1) 以下の設問に答えよ。

(1-1) 次の値を求めよ。

\[ \int_1^\infty\frac{dx}{(x^2+1)^2}\]

(1-2) 関数\(f(x)\)は任意の\(x\ge 1\)において微分可能であり、次式を満たすとする。

\[ \begin{align} f(1)&=1\\f'(x)&=\frac{2}{\sqrt{f(x)}+1}\left(\frac{1}{x^2+\{f(x)\}^2}\right)^2 \quad(x\ge 1) \end{align}\]

このとき\(\lim_{x\to\infty}f(x)\)が有限の値に収束することを示せ。