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Uを一様分布U(0,1)に従う乱数とする。このとき、ある確率密度関数f(x)に対する累積分布関数F(x)の逆関数F1を用いて、乱数XX=F1(U)と定義するとXは分布f(x)に従う。

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n×nの正定値対象行列AxRnbRnについて関数

(1)f(x)=12xTAxbTx

を反復法によって最小化するとき、互いにA共役な方向について探索を行えば高々n回の反復で最小値に収束する。このときのxが線形方程式Ax=bの解であることは前のページで説明した。

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確率分布f(x)に従う乱数を生成したいとする。このとき、次のように一様乱数を用いて目的の乱数を生成する方法を棄却法という。

  1. u1f(x)の定義域[a,b]上の一様分布とする。
  2. u2f(x)の値域[0,c]上の一様分布とする。
  3. u2<f(u1)でなければ棄却して以上の手順を繰り返し行う。
  4. u1,u2が上の条件を満たしたときu1を生成した乱数xとする。

棄却法ではこのようにして条件を満たすまで何度も一様分布に従う乱数を生成する。直観的にも採用された乱数列は目的の確率分布f(x)に従う。

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An×nの正方行列で正定値対称行列とする。xRnを変数ベクトル、bRnを定数ベクトルとする線形方程式

(1)Ax=b

は共役勾配法(Conjugate Gradient Method: CG法)によって解くことができる。共役勾配法ではまず、この問題を次の関数f(x)の最小化問題に取り換える。

(2)f(x)=12xTAxbTx

このページではこの部分について詳細に説明する。